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レガシーマガジン・インタビュー日本語訳版 (2024/2発刊)

東京出身の5人組は、世界に並ぶメロディック・デス・メタルが極東から生まれることを証明した。
インタビュアー:アルネ・クペッツ (ライフフォース・レコーズ)

—Alphoenixの音楽についてはメロディックデスメタルやメタルコアと称されていますが、それとは別にあなたの個人的な意見を聞かせてください。あなた方にとって、Alphoenixの音楽的アイデンティティを特徴付けるものは何ですか?

Shimpei:
AlphoenixはIn Flames、Arch Enemy、Dark Tranquillityなどの1990年代のメロディックデスメタルバンドからのインスピレーションで結成されたバンドです。それらに加えScar SymmetryやDisarmonia Mundiなどのモダン・メロデスの要素やKillswitch EngageやTriviumなど2000年以降のヘヴィメタルの影響があるためAlphoenixがメタルコアとして捉えられる場合がある事も理解していますし、否定もしません。

—ヘヴィメタルとメタルコアの両方に関連付けられるバンドであることはどのような感覚ですか?それらは現在Alphoenixにとって良い機会をもたらしているのでしょうか。また、シーンの変化についてどのようなことに気づきましたか?

Shimpei:
最近の日本のメタル音楽シーンが多くの若いバンドの出現によって復活しており、新しいエネルギーのサイクルを作り出していると感じています。さらに、メタルコア以前から存在していた「ニュースクール・ハードコア」として知られる音楽の人気も再び高まっています。こうしたバンドもIn Flamesなどのバンドに敬意を表しており、状況は良くなっていると思います。

—なぜこのようなヘヴィな音楽に興味を持ったのか、最も重要なきっかけは何ですか?そしてなぜこのサウンドとスタイルが今もあなたやAlphoenixにとって適していると考えているのでしょうか。

Shimpei:
個人的には、学生時代にIn Flamesの「Colony」を聴いたことがこれらの音楽への興味を引き起こしました。その前はHammerfallのようなパワーメタルバンドが好きでしたが、よりインテンスな音楽を求めたときに、このマスターピースに辿り着きました。

—Alphoenixで絶対に譲れない原則はありますか?それはどのようなものでしょうか。Alphoenixに対するあなたの姿勢について教えてください。

Shimpei:
柔軟性を最も重要視しています。Alphoenixのメンバーは年齢も音楽的キャリアもさまざまです。常にオープンマインドを持つことが、バンドのダイナミクスと成果をより良くすると信じています。

—一般的に、ヘヴィな音楽のアンダーグラウンドシーンを見ると、多くのサブジャンルやスタイルがあり常に変化しています。Alphoenixと同じ目標を持つと感じるバンドはありますか?

Shimpei:
他のバンドと目標を話し合う機会は多くないため、あまり言及できませんが、メロディックデスメタルというスタイルやジャンルに拘りを持って活動するバンドが増えていると感じています。

—新旧問わずヘヴィメタルとメタルコアのお気に入りのレコードは何ですか?

Shimpei:
選択肢が多すぎて決めるのは難しいですね。皆さん同じように感じるのではないでしょうか(笑)
今日の気分に基づいて選ぶのならば、メロディックデスメタルではThrone of Chaosの「Pervertigo」、メタルコアではNow and on Earthの「Blacked Out」です。

—バンドにとって、スタイルの伝統を守ることと、ジャンルの境界を押し広げること、どちらが重要だと思いますか?進化と伝統のバランスを取る方法はありますか?この点でAlphoenixが行っていることを教えてください。

Shimpei:
素晴らしい質問をありがとうございます。実際、両方の側面が非常に重要だと考えています。私たちは、私たちの愛する音楽を誇りに思う一方で、時に過度に排他的になってしまう事があります。排他性は伝統を守るかもしれませんが、同時に停滞を招きます。カウンターが起こらなくなるからです。カウンターが発生しなければ進化の余地はありません。したがって、私たちが自らの排他性に気付いたとき、再び扉を開ける必要があります。伝統を忘れかけていると感じたときには、過去の名作に指針を求めます。この学びと成長のサイクルを通じて、私たちは進化を続けています。完璧なバランスなどはありませんから、それに向かって努力し続けるのです。

—“The Jester Bird”は90年代のメロディックデスへの敬意を表しているという声明がありましたよね。このフェーズを特別なものとして考えているのは何故ですか?

Shimpei:
2022年に私たちは2枚目のフルアルバムをリリースしました。来る3枚目のアルバムの制作に着手する前に、ルーツに戻りたいと考えたのです。そのために、暗く、速い90年代のメロディックデスメタルのスタイルを再構築することを試み、アコースティック楽器を現代的なコンテキストで使用しました。
また、カバーアートにも特別な注意を払いました。
90年代にリリースされた、とあるメロデスの名作をオマージュしていますが、それは当時の日本版CDを持っているリスナーだけが理解できる仕掛けになっています。なぜなら、ワールドワイド版や再発版バージョンとは異なるデザインが採用されていたからです。

—Alphoenixは確かな技術力に優れたミュージシャンで構成されていますが、自制心を持たなければならないことはありますか?技術的またはブルータルになりすぎて、記憶に残ることが難しいと感じることはあるのでしょうか。

Shimpei:
私たちはそれについては意識的に気づいていませんでしたが、制作の前には常にコンセプトを共有してきました。このバンドには3人の作曲家がいるため、良いバランスを保つことができていると思います。

—最後に:Alphoenixのサウンドと美学についての全体的なビジョンは何ですか?人々にバンドのサウンド、メッセージ、アイデアをどのように体験してほしいでしょうか。どのように認識され、記憶されたいか、次のアルバムに関して、これを実現するために何をしていますか?

Shimpei:
私たちは、私たちの音楽を発見し聴く人々、つまり私たちのファンがそれを誇りに思えるように努めています。彼らが聴いている音楽と同じくらい、それを選択した彼ら自身を誇らしく思える事を目指しています。次のアルバムでも失望させません。そして、それが更により多くの世界中の人々に届くことを望みます。